皆さま、こんにちは。
今回のブログでは、9月20日に開催された「沖縄野球肘検診」についてご報告します。
野球が盛んな沖縄県ですが、野球少年たちの肘の状態を定期的にチェックする組織的な野球肘検診は、これまで十分に実施されていませんでした。
そこで、当院院長が発起人となり、医師・理学療法士・柔道整復師などの医療従事者を中心とした「沖縄スポーツ健康を推進する会」が2022年に発足しました。そして、2023年には念願の第1回野球肘検診が開催されました。
多くの皆さまのご協力に支えられ、今年で第4回目を無事に迎えることができました。当院からも院長をはじめ7名のスタッフが検診に参加しましたので、当日の様子をご紹介します。
~野球肘検診の目的~
野球肘検診は、成長期の子どもたちに起こる肘の障害を早期に発見し、野球を安全に長く続けられるようにするための取り組みです。
特に重要なのが、上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)の早期発見です。この疾患は、初期には痛みなどの自覚症状が乏しいことがあり、気づかないうちに進行してしまう場合があります。進行すると手術が必要になることもあるため、症状がない段階から検診で異常を発見することが重要です。早期に発見できれば、投球の中止などによる保存療法での回復が期待できます。
また、野球肘の予防には、日頃からの取り組みも欠かせません。
- 投球数を適切に管理する(球数制限)
- 十分な休養日を設ける
- ストレッチやコンディショニングを行う
野球肘検診は、肘の障害を早期に発見するだけでなく、選手本人や保護者、指導者の皆さまに、成長期の身体を守りながら野球を続けることの大切さを知っていただく機会でもあります。
~野球肘検診の内容~
医師による
【成長期野球肘についての説明】
【問診】
【超音波検査によるOCDのスクリーニング】

院長が検診内容や必要性などについて選手に説明を行っています。


理学療法士・柔道整復師・医療系専門学校学生による
【身体機能の確認】
【選手へのフィードバック】
【障害予防エクササイズ指導】



当院リハビリスタッフも参加しました。
超音波検査でOCDが疑われた選手に対しては、医師より医療機関での詳しい検査や治療についてご説明し、医療機関における二次検診に案内しています。
~沖縄野球肘検診におけるOCD発見率の現状~
全国の野球肘検診におけるOCDの発見率は約2%とされています。一方、これまでの沖縄野球肘検診では、約4~6%と、全国の報告と比較して約2~3倍の発見率でした。
今年も友愛医療センター、浦添総合病院、中頭病院の3施設で検診を実施し、参加した選手全体の約4%にOCDの所見を認めました。 これらの選手を早期発見し、必要な対応につなげることができました。
沖縄の野球少年たちが将来にわたって野球を楽しめるよう、今後も野球肘検診を継続し、障害の早期発見と予防に努めていきたいと思います。
~謝辞~
今回の野球肘検診の開催にあたり、ご協力いただいた医療スタッフの皆さま、参加してくれた選手の皆さん、監督・コーチ、保護者の皆さま、そして沖縄県野球連盟の皆さまに、心より感謝申し上げます。
これからも関係者の皆さまと協力しながら、子どもたちが安心して野球に取り組める環境づくりに貢献していきたいと考えています。

友愛医療センター 肘検診スタッフ

浦添総合病院 肘検診スタッフ

中頭病院 肘検診スタッフ